Scott Murdoch Yantoultra Ngui

[シドニー/シンガポール/香港 20日 ロイター] - アジア太平洋地域の金融監督当局が、米新興企業アンソロピックが公開した最新人工知能(AI)モデル「ミトス」がもたらすリスクへの対応に相次いで乗り出している。

人間には分からないシステムの脆弱性を見つけ出せるミトスの高度な能力が、金融機関に対するサイバー攻撃に悪用されかねないからだ。

香港金融管理局(HKMA)は主要銀行と緊密に連携し、ミトスなどのAIによるサイバー攻撃が生み出す脅威の進化への警戒態勢を強化。こうした課題を解決するための新たな枠組みを導入しようとしている。

HKMAはロイターに、銀行の対応能力と回復能力を高めて、業界のデータシステムを確実に頑健化することに的を絞った「サイバー・レジリエンス・テスティング・フレームワーク」を打ち出す方針を示した。

またHKMAは、AIに起因するサイバーリスクを調査し、監視して対処する官民一体の専門チームを設置することも明らかにした。

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は他の規制当局とともにミトスの利用状況を注視し、市場に及ぼす影響を判断していくとしている。

一方、銀行規制当局のオーストラリア・プルデンシャル規制機構(APRA)は、金融システムの安全性と強靱性を確保するため、AI技術の発展が与える影響の検証を続けていくと述べた。

韓国では金融監督院(FSS)が、金融機関のセキュリティー担当幹部とミトス関連リスクについて先週協議したと発表した。

聯合ニュースが事情に詳しい業界関係者の情報として伝えたところによると、金融委員会(FSC)は15日にFSSの最高セキュリティー責任者、銀行、保険会社の代表らがそうしたリスク点検のために緊急会合を開いた。

シンガポール金融管理局(中央銀行)は、AIの進化がITシステムにおけるソフトウエアの脆弱性の発見と悪用を加速させる恐れがあると指摘。金融機関がセキュリティーを強化する必要があると訴え、サイバーセキュリティー当局と協力してそうした取り組みを支援していくと付け加えた。

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