Stephen Nellis
[サンフランシスコ 20日 ロイター] - 米アップルは20日、ジョン・ターナス氏を次期最高経営責任者(CEO)に指名した。人工知能(AI)による業界変革に備える中、長年ハードウエア部門を率いてきたターナス氏にティム・クック現CEOの後を引き継ぐ舵取りを託す。
ターナス氏は2001年にアップルに入社。Mac(マック)などの販売回復に重要な役割を果たしたほか、iPadやAirPods(エアポッズ)など今や広く普及した製品の開発に貢献してきた。
ターナス氏は50歳で、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏からCEO職を引き継いだ当時のクック氏と同じ年齢だ。
D.A.デビッドソンのマネジングディレクター、ギル・ルリア氏は「ターナス氏の昇格は、折り畳み式スマートフォン、メガネ、VRデバイス、AIピンなど新しいハードウエアデバイスに注力する方針を示している」と述べた。
ターナス氏にとって最大の課題は、史上最も成功した消費者向け製品であるiPhoneをはじめとするアップル製品群にAIをどう統合するかだろう。アップルは今年に入り、スマートフォン分野で長年のライバルであるアルファベット傘下グーグルと提携し、音声アシスタント「Siri(シリ)」の改良にグーグルの「ジェミニ」を活用する契約を結んだ。
アップルは2011年にSiriで一般消費者にAIの概念を広めたにもかかわらず、新たなAI技術を中心としたハードウエアやソフトウエアのヒット製品をまだ生み出せていない。一方で、オープンAIなど新興のライバルは数億人のユーザーを獲得している。
テクノロジーコンサルティング会社テックアナリシス・リサーチの責任者ボブ・オドネル氏は「ターナス氏の最大の課題と注力分野は、サードパーティーへの依存度を下げ、アップル自身の能力に基づいたAI戦略と製品を構築することだろう」と語った。
アップルは、クック氏は執行会長に就任すると発表した。引き続き政策当局者との関係構築にも関わるという。
アップルの株価はクック氏が11年8月にCEOに就任して以降、約20倍に上昇した。
アップルはまた、カスタムチップやセンサーの設計を統括してきたジョニー・スルージ氏を最高ハードウエア責任者に任命したと発表した。スルージ氏は引き続き同部門を率いるとともに、ターナス氏が統括していたハードウエアエンジニアリング部門も管轄する。