Takahiko Wada Leika Kihara

[東京 20日 ロイター] - 日銀が27、28両日に開催する金融政策決定会合で、追加利上げを見送る公算が大きいことが20日、分かった。中東情勢を巡る不確実性がなお残り、利上げを急ぐ必要はないとの判断が浮上している。物価上振れ圧力への対処も求められるなか、停戦協議の先行きにも左右されるが、ぎりぎりまで情勢を見極めた上で最終判断するとみられる。

複数の関係筋が明らかにした。

物価面では、原油やナフサの価格高騰を受け、大手化学メーカーが相次ぎ大幅な値上げを表明。日銀では、企業の値上げ姿勢が積極化する中での供給ショックで、値上げは川上から川下まで浸透するとの見方が出ている。

関係筋によると、4月会合で議論する新たな展望リポートでは、2026年度の物価見通しの引き上げも視野に入れる。

もっとも中東情勢の緊迫化がもたらした原油高は、交易条件悪化を通じて企業収益を下押ししかねない。日銀では、ホルムズ海峡の封鎖の長期化で物流が停滞し、生産活動に悪影響が出ることを警戒する声が出ている。中小企業を中心に先行きの企業収益が悪化すれば、賃上げに影響が出かねないとする警戒感もある。

第1次オイルショックのあった1974年は消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)が前年比22.5%上昇し、同年の春闘では32.9%の賃上げとなった。ただ、今回はそこまでの賃金・物価の上昇スパイラルに陥る可能性は低いとの声が日銀内では多い。関係筋の1人は、市場で利上げ織り込みが低い状況では、利上げはないのではないかと話す。

日銀は、利上げ姿勢そのものは今後も維持するとみられ、仮に今回利上げを見送っても6月以降の追加利上げを探る構え。

昨年12月に政策金利を現在の0.75%に引き上げた際は、かえって円安を招いた。中立金利を下回る状況下、市場の期待値をどうコントロールするかも焦点となる。

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