<日本をはじめ欧州・アジア太平洋の中堅国は連携・協力して大国に対抗せよ>

イラン停戦交渉が始まった。このまま戦争が続けば、イランの反撃で湾岸諸国は文明の存続を脅かされていただろうし、米軍もその限界を露呈してアメリカ一極支配を終わらせかねなかった。停戦で一息ついた。

それにしても、今回のイラン攻撃は向こう見ずだった。情報統制で全貌は見えないが、イスラエル、サウジアラビアなどは防空ミサイルを消費してしまい、今後イランのミサイル、ドローン攻撃に対処するすべを欠いているらしい。

サウジなどはアメリカ不信を募らせ、ウクライナのゼレンスキー大統領を招き、ロシアのドローン迎撃で効果を発揮しているウクライナ製新型ドローンの購入と、その操作要員の受け入れを決めた。ロシアのドローンに有効ならば、その原型であるイランのドローン「シャヘド」にも効くだろう、というわけだ。

イラン戦争は超大国アメリカの限界を示した

湾岸諸国の米軍基地はほぼ軒並みイランのミサイル攻撃を受け、AWACS(早期警戒管制機)や空中給油機を破壊されたようだ。アメリカはイランの制空権を確保したと言っているが、AWACS、給油機なしでろくな作戦は展開できない。それに高速のF15もイラン上空で撃墜された。これでは制空権を確保しているとは言えない。

2015年にイランは当時最新鋭のロシア製地対空ミサイルS300を入手しており、これがまだ残っているのだろう。米軍は空母を3隻、そして海兵隊を乗せた強襲揚陸艦を派遣したが、いずれもホルムズ海峡を越えてペルシャ湾内に入ることができずにいる。

このように、イラン戦争は超大国アメリカの限界を示した。サウジがアメリカとの距離を広げ、イランやトルコに接近すれば、イスラエルとアメリカの地位は脅威にさらされる。

トランプが、これまでの傍若無人なやり方はアメリカの立場を不利にするだけだと気付くかどうか。気付いても、NATO諸国の心はトランプのアメリカから離れている。同居離婚のようなものだ。

連携と協力が中堅国の力を高める
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