「トップの排除は無意味」
1959年のキューバ革命以降、カストロ一族以外で初めて国のトップに立ったディアスカネルは、自分が排除されてもキューバの共産主義体制は存続すると主張する。「国家、党、革命の指導部は集団として機能しており、意思決定も集団的に行われる」。従って、トランプ政権がキューバ政府内の内通者と連携して代替政権を樹立しようとしてもうまくいかないという。
またディアスカネルは、キューバを「占領」するというトランプの発言を「好戦的かつ攻撃的」であり、「われわれが提案してきた内容と大きく懸け離れている」と批判。キューバは「対立から脱却する」ための外交的解決を模索していると強調した。
3カ月に及ぶ燃料封鎖により国内の基幹サービスが機能不全に陥り、人道危機が深刻化するなか、キューバは欧州、カナダ、メキシコ、中国などからの支援物資に頼らざるを得なくなっている。ディアスカネルは3月、アメリカとの協議が始まったと認めていたが、今回のインタビューでは対話の難しさを指摘した。
一方、トランプはキューバが「合意を切望している」と語り、封鎖の対象だったロシアのタンカーによる石油輸送を容認した。政府当局者も、トランプが合意は「極めて容易に成立する」と確信していると説明した。
ディアスカネルは4月上旬に同国を訪れた米下院議員2人と会談して、封鎖を緩和し、ベネズエラ、イランに続く今年3件目の軍事介入を回避するよう訴えた。
本誌に対しては、トランプとの協議の進展に期待しつつも、そのためには「対等な立場での敬意ある対話」と「相互主義と国際法の遵守」が必要と主張する。そして、オバマ政権下で実現した国交正常化を引き合いに出し、そうした対話は可能だとの認識を示した(第1期トランプ政権は国交正常化を撤回)。
一方で、ディアスカネルは「他国に協議を提案しておきながら、その後にその国を攻撃する」トランプの姿勢に苦言を呈している。「そうした行動の全てが、わが国の国民に疑念を抱かせているのは間違いない」
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