Rozanna Latiff Danial Azhar

[クアラルンプール 31日 ロイター] - マレーシア中央銀行は31日、中東紛争と米国の関税による貿易混乱や燃料価格高騰にもかかわらずマレーシア⁠の経済成長率が当初の予想を上回るとし、今年の予想を従来の4─4.5%から4─5%に小幅上方修正した。

2025年の年次報告書とともに公表した文書で、原油価格高騰が成長とインフレにリスクをもたらすと指摘し、影響の⁠度合いは戦争の期間と深刻度に左右されるとの見通しを示した。

26年の成長見通しには中東紛争⁠のさまざまなシナリオを織り込んでいるが、紛争が長期化すれば先行きのリスクになると指摘。

会見したラシード中銀総裁は「事態が著しく悪化すれば、必要に応じて成長率見通しを見直す」と述べた。

中銀は「マレーシアは、堅調な国内需要、穏や⁠かなインフレ、健全な金融セクター、強固な対外収支という強みを背景に、この紛争に臨んで⁠いる」⁠と述べた。

さらに、強いファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)、国内機関投資家層の厚み、十分な資本を備えた銀行システムが相まって海外からの関心を集め、国内金融環境は引き続き良好な状態を維持すると予想していると述べた。また、マレーシア⁠がエネルギー純輸出国であることも、中東紛争の影響に対する一定の緩衝材となるだろうという。

26年の成長については、堅調な家計支出、投資、電気・電子機器輸出への持続的な需要、安定した観光業に支えられるだろうと述べた。

26年の総合インフレ率は、昨年の1.4%からやや上昇し、1.5─2.5%になると予測。コアインフレ率は1.8─2.3%(25年は2%)を見込む。

中銀は「市場の秩序を維持⁠し、過度なボラティリティーのリスクを管理するため、中東紛争の進展に対応する準備がある」とした。

ラシード総裁は、紛争によりリンギが変動する可能性を認めつつも、全体的な見通しは明るいと指摘。リンギは過去12カ月で最も堅調なアジア通貨の1つで、2月には対ドルで18年以来の高値に上昇した。

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