Michael S. Derby

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のポールソン総裁は27日、イラン戦争は米国経済に困難をもたらしていると述べたが、それが短期⁠的な金融政策の変更にどのような影響を与えるかについては明言を避けた。

サンフランシスコ連銀が開催するイベント向けの講演原稿の中で、同総裁は「中東紛争は、インフレと経済成長の両方に新たなリスクをもたら⁠している」との見解を示した。

ポールソン氏は、物価上昇圧力の抑制に向けた「著しい進展」があった⁠にもかかわらず、インフレ率は依然として目標である2%を長期間上回っていると指摘。さらに、長期的なインフレ期待は目標と「整合的」であるとしながらも、「やや脆弱な面もあるかもしれない」とした。

ポールソン氏は、現在の経済的課題について、人工知能(AI)技術の台頭が経済の⁠将来にどのような影響を与えるか、連邦準備理事会(FRB)がどのように対応する可能性があるかを考察する⁠中で⁠発言し、現在の生産性の急上昇の要因をリアルタイムで理解することの不確実性を指摘した。

AIによる生産性向上によってもたらされる経済成長の急上昇は、インフレ率が目標を上回る状況下では、FRBにとって対応が困難になると説明した。

「インフレ率が目標の2%であれば、もっと安心して金融政⁠策を据え置き、状況を見守ることができるだろう。しかし、インフレ率が2%を超え、それがしばらく続いている場合は、より慎重になるべきだ。適切な政策を決定する際には、過熱の可能性をより重視するだろう」とした。

また同総裁は、エネルギー価格の高騰はインフレデータに従来よりも速く影響を与える可能性があるとの見方を示唆。インフレが高止まりする中でエネルギー⁠価格の高騰が起こっていることを踏まえ、「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードがより速く、より持続的になるリスクが高まっており、その点を懸念している」と述べた。

さらに、雇用市場については「脆弱に感じられる」とした上で、「悪化しつつあるものの崩壊には至っていない」との見方を示した。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。