Tamiyuki Kihara

[東京 24日 ロイター] - 日本外交の年次報告書として外務省が取りまとめる2026年版「外交青書」の概要が分かった。関係改善の糸口が見出せていない日中関係⁠について、中国による輸出規制などにも触れ、「日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」と明記した。一方、「中国との様々な対話についてオープン」であることも強調。昨年11月の高市早苗首相による台湾問⁠題を巡る国会答弁を機に悪化している関係の改善に期待感もにじませた。

4月上旬にも正式に取りまとめる。⁠外交青書の対象期間は前年1━12月で、米国とイスラエルによるイラン攻撃は含まれていない。

ロイターが事前に入手した素案では、日中関係について25年版にあった「最も重要な二国間関係の一つ」との表現を使っていない。「重要な隣国であり、様々な懸案と課題があるからこそ、意思疎⁠通を継続しながら、国益の観点から冷静かつ適切に対応していく」とした。「戦略的互恵関係」との位⁠置付けは⁠維持した。

一方、足元の関係については悲観的な表現が目立った。高市氏は昨年11月の衆院予算委員会で、台湾有事が「存立危機事態になり得る」と答弁。中国は猛反発し、中国軍機が自衛隊機にレーダー照射する事案が発生したほか、軍民両用(デュアルユース)品の対日輸出規制を発⁠表した経緯がある。

こうした点について外交青書では、「11月以降、中国は、国会における議論に対するものを含め、日本に対して一方的な批判や威圧的措置を強めている」と主張。中国側が反発した内容にも触れ、日本は「毅然と反論・抗議すると同時に、中国側に対して適切な対応を求めてきている」とした。輸出規制については「日本のみをターゲットにした同措置は、国際的な⁠慣行と大きく異なり、決して許容できず、極めて遺憾である」として撤回を求めているとも記した。

ただ、関係改善を目指す姿勢も盛り込んだ。「日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要」とし、「中国との様々な対話についてオープンであり、扉を閉ざすようなことはしていない」と強調した。

(鬼原民幸 編集:久保信博)

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