Gianluca Lo Nostro Robert Harvey
[パリ/ロンドン 16日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA) のビロル事務局長は16日、IEAは先週合意した過去最大規模の石油備蓄放出に加え、必要に応じて追加的に備蓄を放出する可能性があると述べた。
IEAは11日、米国とイスラエルによるイラン軍事攻撃を背景とした原油価格の高騰に対処するため、4億バレルの石油備蓄放出で合意した。ビロル氏は「IEAの迅速な対応で市場に落ち着きがもたらされ、原油価格は1週間前と比べ大幅に低下している」と指摘。合意された放出量はIEA加盟国全体の備蓄の約20%で、放出後も14億バレルを超える備蓄が残るという。
ただアナリストの間では、合意された放出量で十分か疑念が出ているほか、放出ペースが重要になるとの見方が出ている。スパルタ・コモディティーズのフィリペ・エリンク・スールマン最高経営責任者(CEO)は「放出の規模は最大で日量400万─600万バレルにとどまる。原油の供給不足は日量500万─800万バレルに達しており、この差を埋めるには十分ではない」と述べた。
ビロル氏は、放出ペースには言及しなかったものの、アジア向けにはすでに備蓄原油の供給が始まっていると述べた。同時に、今回の備蓄放出は当面の緩衝材にはなるものの、長期的な解決策にはならないとし、「原油、天然ガスの安定した供給の回復には、ホルムズ海峡の航行を可能にすることが最も重要になる」と指摘。ホルムズ海峡が直ちに再開したとしても、世界のエネルギー取引が回復するには時間がかかると警告した。