──あなたにとって成功とは? 映画賞か、批評家の評価か、それともほかの要素だろうか。

批評家に評価されるのは、作品に誇りを持っていれば最高の気分だ。でも、面と向かって褒めるのは勘弁願いたい。メールで「返信は不要。とてもいい仕事だったよ」と伝えてほしい。

映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ。授賞式に出席しろと無理強いされるくらいなら、ノミネートされないほうがましだね。

「アカデミー賞が欲しくないと言う人はみんな嘘を言っている」と、友人のジュリア・ロバーツは言うけれど、そいつは違う。賞が要らないわけではない。授賞式にまつわる社交のあれこれを考えると気が重くなるんだ。

(『ミスティック・リバー』で)アカデミー賞を初受賞する前は、ノミネートされても一度も授賞式に行ったことがなかったんだ。この時出席したのは、同じ映画でゴールデン・グローブ賞を受賞したとき(監督の)クリント・イーストウッドに代わりに賞を受け取らせてしまったからだ。とても申し訳なく思った。

受賞したときに感じる唯一の感情、それは安堵だ。大好きな人たち、私を支えてくれている人たち、ギャラを払ってくれている人たちが賞を期待して大きな投資をしているから。

問われるのは知的誠実さ