──イランがこれまで以上にアメリカに融和的だったのはなぜか。

トランプ政権を含む右派は数十年前から、イランの現体制を革命政権と見なし、地域の不安定化要因と位置付けてきた。この見方は一面的であり、アメリカの対イラン政策にたびたび深刻な悪影響を与えてきた。

88年のイラン・イラク戦争終結後、イラン指導部は革命の輸出よりも国家の存続を優先している。

それ以降のイランは自国が直接関与する武力衝突を避けて国家安全保障を確保する一方、レバノンのシーア派組織ヒズボラやパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスといった代理勢力を通じて影響力を拡大してきた。

しかし近年、イランの体制は大幅に弱体化した。アメリカ主導の経済制裁で経済が機能不全に陥り、ハイパーインフレと生活必需品の不足に見舞われている。

イスラエルの軍事作戦により、ヒズボラやハマスも壊滅的な打撃を被った。シリアでは、親密な関係にあったアサド政権が崩壊。それに伴い、同政権の後ろ盾であり、イランの友好国でもあるロシアが中東での影響力を大幅に失った。

そして昨年6月には、イスラエルとアメリカがイランの核関連・ミサイル関連施設など、軍事施設の多くを破壊。昨年末以降は、膨大な数の国民が現体制に抗議するために街頭でのデモに参加している。

体制崩壊の先には?