<ロシアの小学校で行事設営やビデオ撮影を担当していた職員が記録した愛国主義教育のすべて。ドキュメンタリー映画『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で』>

[ロンドン発]パヴェル・タランキン氏(35)は露チェリャビンスク州の工業都市カラバシュにある第1小学校で行事設営やビデオ撮影を担当していた。2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻を境に教育現場は急速に変質していく。

■【動画】変わっていく教育現場と子供たち...『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で』予告編映像

クレムリンの指示により愛国主義教育や軍事化が学校行事に組み込まれ、タランキン氏は国旗掲揚式や教練の様子を撮影して当局に証拠映像を送る役割を担わされた。民間軍事会社ワグネル・グループの戦闘員が子どもたちに地雷の見分け方や銃の扱いを教える場面も記録された。

タランキン氏は自分が教師たちを見張る「監視員」として機能していることに目が覚め、撮影した映像を暗号化されたサーバーを通じてコペンハーゲン在住の米国人監督デヴィッド・ボレンスタイン氏へ送り始める。これがタランキン氏の人生を一変させる。

「教育を終えた時、プーチン支持の新たな世代が誕生する」

約2年半にわたり撮影された映像は1本のドキュメンタリー映画になった。『名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で(原題:Mr. Nobody Against Putin)』はサンダンス映画祭、英国アカデミー賞のドキュメンタリー部門で受賞した。

第98回アカデミー賞ではドキュメンタリー長編映画賞にノミネートされている。授賞式は3月15日だ。

「プロパガンダがなければウクライナに行くことはなかった」