[パナマシティ 23日 ロイター] - パナマは23日、香港の長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)の子会社が保有していた主要な港湾契約を無効とする最高裁判所の判決を官報で公布した。デンマークの海運大手マースク傘下のAPMターミナルズ・パナマと地中海海運会社(MSC)傘下のTILパナマが一時的に港を引き継ぐ道が開かれた。
これにより、パナマ運河に近いバルボア港とクリストバル港のコンセッション(運営権)の法的無効化が確定した。両港はハチソン子会社のパナマ・ポーツ・カンパニー(PPC)が20年以上にわたり運営してきた。
CKハチソンはパナマ当局が23日に両港に「直接立ち入り」、PPCの従業員を排除したと述べた。従業員らは命令に従わなければ刑事訴追すると警告され、PPCと接触しないよう指示されたという。
CKハチソンは香港証券取引所への声明で「この判決、行政命令、PPCの運営権無効化、ターミナルの引き継ぎは違法だ」とし、「パナマ政府の行動はバルボア港とクリストバル港の運営、両港における健康、安全にも深刻なリスクをもたらす」と表明。パナマおよび第三者に対する国内外の法的措置を巡り法律顧問と連携していると述べた。
香港政府も24日に声明を出し、パナマ側の対応に強い不満と反対を表明。契約精神の尊重と公平なビジネス環境の提供を求めた。同日の香港株式市場で、CKハチソンの株価は1.9%下落した。
パナマ海事局(AMP)幹部は、業務の中断を避けるためにAMPが両港を政令に基づき取得したと述べた。
政府はバルボア港とクリストバル港の運営について、AMPとの最長18カ月間の暫定コンセッション契約2件を承認したと発表した。バルボア港はAPMターミナルズ、クリストバル港はTILパナマが運営する。
パナマのムリノ大統領はテレビ演説で、この一時的な契約は「資産の所有権を尊重する合法的な手段」として発行されたと説明。「これらの資産の収用を意味するのではなく、関連する措置に向けた実際の価値が確定するまでの間、港の運営を確保するためのものだ」と述べた。
ムリノ氏は今月初め、判決が法的拘束力を持つようになれば、政府は港湾の管理についてAPMターミナルズとの合意の正式化を進めると述べていた。
パナマ運河を巡り米中の対立が激化する中、最高裁は1月末に米国勝訴の判決を下していた。トランプ米大統領は、世界の海運貿易の約5%を占める同運河に対する中国の影響を抑制するため圧力を強めている。