Hyunjoo Jin
[ソウル 29日 ロイター] - 韓国サムスン電子は29日、人工知能(AI)ブームを背景に半導体の深刻な供給不足が今年も続くとの見通しを示した。
主力の半導体部門は旺盛なメモリー需要の恩恵を受ける一方、スマートフォンやディスプレーといった他部門にはコスト増の逆風となる。
同日発表した2025年第4・四半期の営業利益は前年同期比で3倍超の20兆ウォン(139億8000万ドル)となり、過去最高を記録した。AI開発競争により半導体の供給が不足し、価格が上昇する中、今後も旺盛な需要が続くと予想した。
決算はサムスン電子の強力な価格決定力を示すもので、同社の利益の伸びは今年加速すると予想されている。
サムスン電子は「現在のAIブームは26年第1・四半期も業界全体に良好な市場環境をもたらす見通しだ」と述べた。
ただ、メモリーチップの価格上昇がスマートフォンやディスプレー事業を圧迫していると指摘し、世界的な関税など他のリスクも残っていると警告した。
これを受け、年初から急伸していた同社株は29日、前日比1.2%下落している。
メモリー事業担当幹部は決算説明会で「メモリー製品は全般的に大幅な供給不足が当面続くと見込まれる」とし、AI関連需要が引き続き強い中、今年と来年も供給拡大は限定的になるとの見方を示した。
第4・四半期の営業利益は自社予想と一致した。前年同期は6兆4900億ウォンだった。
売上高は93兆8000億ウォンで、前年同期比24%増となった。
主力の半導体事業の営業利益は前年同期比470%増の16兆4000億ウォンと過去最高を記録した。一方、半導体価格の上昇で圧迫された携帯電話事業の利益は10%減の1兆9000億ウォンに減少した。
興国証券のアナリスト、ソン・インジュン氏は「メモリー価格上昇は今期も加速すると予想され、サプライズ的な収益をもたらす可能性が高い一方、モバイル事業ではコスト負担がさらに重しとなる」と見通した。また、今年第1・四半期の利益は前年比5倍増の約35兆ウォンになると予想した。
サムスン電子もモバイル事業が今年、コスト上昇圧力に直面するという見通しを示した。盧泰文共同最高経営責任者(CEO)はロイターに、深刻なチップ不足は「前例がないほど」とし、値上げの可能性も示唆した。
ディスプレー事業の利益は2兆ウォンと2倍以上に増加した。主要顧客である米アップルの「iphone17」シリーズの好調な販売が寄与した。
ディスプレー事業ではメモリーチップの供給不足で価格が高騰しているため、今四半期はスマホ需要が弱まり、顧客が値下げを求めると予想している。
サムスン電子はまた、次世代高帯域メモリー(HBM)チップ「HBM4」について、今四半期に納入を開始する見通しを示した。HBM4はまず米エヌビディアに出荷されるとアナリストらはみている。