Andrea Shalal Maggie Fick Alistair Smout
[ワシントン/ロンドン 1日 ロイター] - 米国は1日、英国との間で医薬品と医療技術への関税をゼロにする合意を締結したと発表した。条件として、英国による新薬購入価格の引き上げと、英の国家医療制度(NHS)の予算のうち医薬品への支出割合を増やすことが含まれた。
合意に基づき英国は新薬の正味購入価格を25%引き上げる。その見返りとして、英国製の医薬品、医薬品原料、医療技術は、通商拡大法232条に基づく分野別関税の適用除外となる。さらに英国は、26年内に還付率を15%に引き下げることを約束したという。
グリア米通商代表部(USTR)代表は声明で「米国と英国は革新的な医薬品について、交渉の結果得られた税率を発表した。これは両国の投資とイノベーションの促進に役立つだろう」と述べた。
2人の関係筋によると、この合意は、NHSが新薬の費用対効果を判断する英国国立保健医療研究所(NICE)の価値評価枠組みの大幅な変更を伴うものだったという。NICEの「質調整生存年」は、治療によって患者が健康を維持できる年数ごとにかかる費用を計測したもので、上限は年間3万ポンド(3万9789ドル)となっている。これが3万5000ポンドに引き上げられる。
英国は、NICEの枠組み変更により、「製薬会社が今日活動している商業的、経済的環境に歩調を合わせることができる」と述べた。改定された枠組みは、米国製だけでなく全ての新薬に適用されるが、既存薬の価格には影響しない。
英国の製薬業界団体ABPIは、英国の患者が新薬を入手しやすくなるほか、製薬会社からの投資を呼び込むのに役立つと評価した。
英国商工会議所もこの合意を歓迎し、「医薬品は金額ベースで英国の対米輸出全体の5分の1を占めている。これにより英国は明確な優位性を得られる」と述べた。
トランプ米大統領は、米国の医薬品価格を他の先進国と同水準に引き下げる取り組みの一環として、英国および欧州諸国に対し、米国製医薬品の購入を増やすよう圧力をかけている。