ただ、貿易摩擦が日本に影響する懸念は、引き続き存在する。トランプ政権が日本に課した鉄・アルミ製品への高関税の影響は、4月の段階では統計には表れていない。鉄鋼の対米輸出は数量ベースで13%伸びている。

しかし、世界貿易機関(WTO)が今月17日に発表した貿易見通しを示す指標「WTO指数(WTOI)」は101.8となり、2月の102.3から低下。「指数の低下は、特に輸出受注の落ち込みを示しているが、空輸貨物も落ち込んでいる。貿易摩擦の激化による先行き不透明感の高まりに関連している可能性がある」とWTOは指摘している。

農林中金総合研究所の南武志・主席研究員は、貿易摩擦を巡る前週までの米中経済協議について「報復関税の応酬を互いに控え、中国の対米貿易黒字の縮小に向けて努力することで合意され、貿易戦争に拡大する懸念は後退した」と評価する。

ただ、今後は日本・欧州連合(EU)などとも交渉していくとみられ、「自動車などの取り扱いが注目される」と語っている。

今年度も世界経済の好調を背景に外需がけん引すると期待されている日本経済だが、貿易摩擦が大きな重しとなってくるリスクは、まだ完全には払しょくされていない。

(編集:田巻一彦)

中川泉

[東京 21日 ロイター]

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