そこで筆者は「しかし、米朝首脳会談を長年にわたり要求してきたのは、他ならぬ中国ではないですか?」と疑問を挟んだ。すると次の回答が戻ってきた。
――その通りだ。だから問題ないだろうと、金正恩は中国に言うだろう。
しかしその一方で、米朝接近を強化して、中国をじらすのだ。やがて日本にも近づくだろう。「日本は1億年経っても朝鮮の神聖な土地を踏めないだろう」と日本を威嚇するのは、ちょうどミサイルや核実験でアメリカを脅しておいて、いきなり対話に入る手段と同じで、「恫喝外交」の変形に過ぎない。
必ず日本との対話に、いきなり転換していくだろう。そのときに有利な条件を引き出すために、今は最大限に日本を酷評している。それが彼のやり方だ。
習近平がシンガポールに飛ぶ可能性
そんな勝手なことはさせない、というのが中国の本音だろう。
その証拠に、シンガポールで米朝首脳会談が行われる時に、習近平国家主席がシンガポールに飛ぶ可能性が取りざたされている。
「休戦協定署名国の一つである中国を外して、休戦から終戦への移行をさせてなるものか」という、中国の譲れぬ一線を示唆する情報だ。
取材した中国政府関係者は、これ以上は明らかにしなかったが、彼が漏らした不満が、それを証拠づけているように映った。
