がれきの山に

湖のほとりにある人口20万人のマラウィ市は、数週間にわたる軍の空爆や爆撃により、ゴーストタウンと化した。市の中心部には、黒焦げのがれきや、建物の骨組みしか残っていない。武装勢力が支配する地区の建物はまだ残っているものの、住民は脱出し、人けはない。

フィリピン当局は、16歳の少年を含む100─120人の戦闘員が、市街地の商業地区に立てこもっているとみている。当初は500人程度だった。

軍によると、武装勢力は100人ほどの人質を取り、人間の盾として利用したり、戦闘に参加させたり、性的奴隷として扱っている。

軍用機は、毎日のように武装勢力の支配地区を爆撃している。町の外側からは、迫撃砲の部隊が、今回の紛争の中心である「グラウンド・ゼロ」と呼ぶ地域に照準を定める。

「迫撃砲は、空爆に比べて、人や小さなエリアを標的にするのに向いている」と、迫撃砲を専門にするジェフリー・ベイバヤン伍長は、前線の観察兵から途切れがちな無線で伝えられる座標をメモしながら言った。

「標的を正確に狙うのは難しい時もあり、標的に当たらず弾を無駄にすることもある。敵の地域に近い場所にいるわれわれの兵士も心配だ」と、伍長は言う。迫撃砲が街中で爆発し、真っ黒な煙が上がった。

降伏か死か

この日の戦闘で、タンプス中佐は、戦闘地区に数週間も閉じ込められていた市民3人が、脱出を試みているとの報告を受けた。何人かの兵士が救出に向かうことになり、狙撃を避けるため、二手に分かれて道の両端を移動して行った。

救出された男性2人と、杖をついた女性1人は、軍が支配する地区まで逃れると、道の端に座り込んだ。

「両側からひっきりなしに爆弾が放たれた」と、キリスト教徒のホセ・ロカナスさん(53)は言った。妻と友人とともに、自宅に閉じ込められていたという。「われわれは、板挟みにされてしまった」

軍によると、彼らの親戚から3人が閉じ込められているとの情報があり、救出に成功したという。

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