Ritsuko Shimizu
[東京 26日 ロイター] - 信越化学工業は26日、2025年3月期の連結営業利益が前年比4.8%増の7350億円となる見込みと発表した。IBESがまとめたアナリスト20人のコンセンサス予想の平均値は7804億円で、会社予想はこれを下回った。斉藤恭彦社長は固めに見込んだ数字、との認識を示した。
4月時点で通期見通しの公表は見送っていた。
年間配当は106円で前期の100円から6円の増配を予定している。
斉藤社長は説明会で「一時的な要因はなく、固めに数字を見ている。さらに伸ばしていく意気込みで取り組んでいる」と述べた。主力の塩化ビニールは北米を中心に製品の値上げを実施したが「か性ソーダと塩化ビニールともに価格が中心テーマであることに変わりはない」とした。
一方、半導体シリコンウエハーなどの電子材料は、用途や分野により回復はまだら模様だが、AI(人工知能)向けで需要が高まっている。
中国内でウエハー生産が増加していくことに関して、斉藤社長は「基本的には中国内のデバイスメーカー向け」との認識を示した。中国から輸出する場合でも、シリコンウエハーは価格だけではなく品質が重要とし「歩留まりが1%変わるだけでウエハーの価格差は簡単に吹き飛んでしまう。高歩留まりを実現できるウエハーを投入していく」と述べた。
年間の設備投資額は為替円安などで期初計画から200億円上積みの4600億円とした。ここには、三益半導体工業の買収資金も含んでいる。三益半導体については、第2・四半期から連結子会社になることを織り込んでいるという。
24年4―6月期の連結営業利益は前年同期比0.1%増の1910億円となり、4月時点での会社計画の1650億円から上振れて着地した。中国からの輸出圧力が続く塩化ビニール樹脂を含む生活基盤材料が減益となった一方で、半導体シリコンなどの電子材料が想定を上回る増益となった。斉藤社長は「ウエハー在庫が重かったため、固めに見ていた」と説明した。