[ソウル 29日 ロイター] - トラック運転手による全国的なストライキが行われている韓国で29日、政府がセメント業界のトラック運転手に職場復帰を命じた。全国の建設現場で建築資材が不足する中、スト対抗法を発動する異例の措置に出た。

最低賃金を巡るトラック運転手のストは半年足らずで2回目となっており、1日当たり推計3000億ウォン(2億2400万ドル)の損失が生じている。

尹錫悦大統領は閣議で「手遅れになる前に職場に戻っていただきたい」と呼びかけ、「私は任期中に労使間の法の支配をしっかりと確立し、違法行為には決して妥協しない」と述べた。

ストが6日目に入る中、政府によると、コンクリートの供給が不足しているため、全現場の約半分に当たる250以上の建築現場で作業が停止している。

業界団体によると、セメント産業は28日時点で推計約640億ウォン(4781万ドル)の累積損失が出ている。また、同日の出荷量は約2万2000トンだったが、これは9月から12月初旬のピークシーズンに必要な通常の1日当たり出荷量の約10%という。

尹政権は、スト中の運輸労働者に職場復帰命令を出した韓国史上初めての政権となる。

労働者がこの命令に従わない場合、免許の取り消しや3年の刑期、3000万ウォン(2万2550ドル)以下の罰金といった処罰を受ける。

ストを主催する労組CTSUは業務開始命令について、国際労働機関(ILO)の強制労働廃止条約に反する「非民主的かつ暴力的」なものであり、政府が対話に消極的な証拠と訴えた。

その上で「業務開始命令は貨物労働者に対する戒厳令に等しい。いや、死ねという命令だ」と指摘。労組側の要求は最低賃金に近い収入でありながら長時間働くトラック運転手を保護するためのものだと強調した。

労組は29日に全国で16の集会を開催する計画だ。

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