<チクチクと年齢に触れた記者に抗議文を発表したマドンナ。ニューヨーク・タイムズとマドンナ、どっちがアウト?>

ポップ音楽の女王が米メディアの王にかみついた。

発端は、6月5日付でニューヨーク・タイムズ・マガジンに 掲載されたマドンナの特集記事。昨年還暦を迎えたマドンナだが、 記事の端々で彼女の年齢に触れた記者のことが許せなかったようで「彼女と5分でも一緒に過ごしたことを残念に思う」と不満たらたらの抗議文を発表した。

確かに記事のタイトルからして「60歳のマドンナ」。記事の中でも「2世代も若いアーティストたちの中にあって存在を主張」「マドンナが鉄の意志を持って取り組んできたことを若い世代が理解していないのは残念」など、マドンナを褒めつつもチクチクと年齢に触れている。

「自分が男性ならこうした指摘は受けなかった」と憤るマドンナは、「尊敬すべきニューヨーク・タイムズは家父長制度の創始者の1人」とまで言い切るなど怒りが収まらない様子だ。

飛ぶ鳥を落とす勢いのかつてのマドンナだったら、こんな扱いは受けなかっただろう。だが年齢はさておき、人気が下降気味という現実がマドンナをいじられキャラにしているのかもしれない。

実際、9月12日からニューヨークを皮切りにニューアルバム『マダムX』(6月14日発売)のツアーが始まるが、このチケットの売れ行きがいまいちだ。販売開始から1カ月以上たっても、ほとんどの公演会場でまだ何百枚ものチケットが余っていると いう。

今回のツアーは巨大なコンサート会場ではなくライブハウス的な小劇場で行われる予定で、客席数も2000〜3000席程度。かつてはヤンキー・スタジアムなどの巨大なライブ会場のチケットが販売と同時に完売していた女王からすればさみしい現実だ。

ただ、女性と年齢について敏感に反応するあたり、弱者の立場や権利を主張してきたマドンナらしい。『マダムX』には銃規制を訴える内容の曲が含まれており、社会派ポップスターの面目躍如といったところ。円熟味を増して、往年のファンだけでなく若者世代の心にも響くアルバムに仕上がっているだろう、ってこの表現もアウト?

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※6月25日号(6月18日発売)は「弾圧中国の限界」特集。ウイグルから香港、そして台湾へ――。強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴とは何か。香港デモと中国の限界に迫る。