[シンガポール 14日 ロイター] - シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は14日、市場の予想通り、金融引き締めを決定した。物価上昇の勢いを鈍らせる狙いがあるとした。

引き締めは過去半年で3回目。同日発表された第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率は市場予想を下回った。

MASは、主要貿易相手の通貨に対してシンガポールドルを非公開バンドの中で上げ下げさせることによる為替レート設定を通じて金融政策を運営。「シンガポールドル名目実効為替レート(SドルNEER)」として知られる政策バンドの3つのレバー(傾き、中央値、幅)を通じて政策を調整している。

MASはこの日、政策バンドの中央値を実勢水準にシフトさせるとともに、傾きを小幅に引き上げることを決めた。この2つの措置を同時に用いて引き締めを行ったのは12年ぶりとなる。物価安定に対する政策当局者の懸念を浮き彫りにする形となった。

政策バンドの幅は変更しないとした。

ロイター調査に回答したエコノミスト16人全員が引き締めを予想していたが、その手法については意見が分かれていた。

MASは声明で「ウクライナ紛争は世界のインフレ見通しを押し上げ、成長予想を押し下げた」と指摘した。

「国際商品価格とサプライチェーンへの新たな衝撃は国内のコスト圧力を高めている」とし、インフレリスクは中期的に高い状態が続いているとの認識を示した。

<一段の引き締めか>

OCBCの債券リサーチ戦略責任者、セリーナ・リン氏は「ドアがまだ閉じられていないことは確かだ」と述べ、10月に追加引き締めを行う可能性に触れた。

シンガポールドルは中銀の発表後、約0.5%上昇し、1週間ぶりの高値となる1米ドル=1.3552シンガポールドルを付けた。

中銀は今年のGDP成長率の予測を3─5%に据え置いた。

貿易産業省が発表した第1・四半期のGDP速報値は前年比3.4%増となり、伸び率は市場予想の3.8%を下回った。2021年第4・四半期の6.1%から減速した。

MASは外部環境の動向とシンガポール経済への影響を引き続き注視していくとした。

今年のコアインフレ率は2.5─3.5%とし、従来予想の2.0─3.0%から引き上げた。総合インフレ率も4.5─5.5%と2.5─3.5%から上方修正した。

ANZのアジア調査部門トップ、クーン・ゴー氏は「インフレ率の上振れが続けば追加措置が必要になる可能性をMASは十分に認識している」との見方を示した。

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