運動だけでは不十分...必要なことは?
英ティーズサイド大学でスポーツ・運動学の上級講師を務めるニコラス・バーガー博士は、今回の研究結果はおおむね正しいと考えられると本誌に語った。
「ただし、注意点もある」とバーガーは指摘する。「インスリン感受性を高め、内臓脂肪を減らす分子経路は、マウスにも人間にも共通して備わっている。何十年にもわたる人間の臨床試験からも、持久運動と抵抗運動のどちらもが2型糖尿病の予防や管理に効果的であることは示されている」
バーガーはまた、肥満や代謝の健康は身体内の現象だけでは決まらず、生活習慣、感情、社会的影響といった要因も関係しているため、それを実験用マウスに再現することは不可能だと注意を促した。「定期的な抵抗運動を通じて筋肉をつけ、それを維持することは、加齢とともに特に重要になる。筋肉量が多いと血糖の調整がしやすくなり、身体の動きも保たれ、長期的な代謝リスクも減るからだ」とバーガーは語る。
「今回の結果は確かに有望ではある。しかし、現実の世界で成果を出すには、生物学的な変化だけでなく、長期的な生活習慣の改善と運動の継続が必要だ」