勝ち目のない状況下では、脳に何が起こる?

この研究には18~24歳の若者40人が参加。ジョイスティックを使って画面上の物体を避けるという、テレビゲーム形式の課題に取り組んだ。課題には、比較的簡単に回避できる葛藤が少ないシーンと、どちらを選んでも悪い結果になるような強い葛藤を惹起する難しいシーンが組み込まれていた。

研究者たちは、脳波計を用いて参加者の脳活動を測定した。「回避―回避型葛藤」の状況に脳波計を統合したのは、本研究が初だ。

ストッカーは「脳波計は、痛みがなく非侵襲的でありながら、脳の電気的活動を非常に効果的に記録できる手法である」と説明する。

「勝ち目のない」状況下では、被験者の脳に特有の活動パターンが見られた。脳の右前頭葉領域において「シータ波」と呼ばれる脳波の活動が高まることが確認されたのだ。また、状況のストレス度や対処の難易度に応じて、他の脳領域も活性化したという。

研究チームは、こうした脳波のパターンが、不安に関連する葛藤の証となる可能性があると考えている。

ストッカーは「不安の処理中にどの脳領域が働いているかだけでなく、それらの領域同士がどのように連携しているのかを明らかにすることができた。勝ち目のない状況の処理は、単一の脳領域だけで完結するものではなく、複数の領域が協調して取り組んでいるのだ」と述べた。

実際に治療に使用するためには課題も
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