経済的には合理的?

動的価格設定は不人気ではあるものの、経済的には合理的だと論じている経済学者もいる。

米国のシンクタンク「ケイトー研究所」が発表した論説の中で、ライアン・ボーンとネイサン・ミラーは、動的価格設定を「限られた座席をグローバルな高需要イベントの中で分配する現実的な方法」と評した。

「FIFAには批判される点が多くある」としつつも、「動的価格設定モデルは、W杯が直面する現実的なトレードオフを認識している」と一定の評価を下している。

彼らは、価格を需要に応じて変動させることにより、「最も支払う意思のある人々」にチケットが行き渡るとしつつも、関心があまり集まらない試合ではファンに有利に働くこともあると指摘した。この価格モデルに起因する価格変動は個々のファンを狙い撃ちするものではなく、市場全体の関心を反映するものだと両氏は述べている。

「空席だらけでは見栄えが悪いし、熱狂的な観客が集まれば、飲食やグッズの売上にもつながる」

とはいえ、この価格設定には明らかな欠点もある。購入タイミングによって同じ座席に大きな価格差が生じる可能性があるのだ。

両氏も「同じような座席に対し、支払う金額が大きく異なるケースが出てくる」と認めている。限られた予算しか持たないファンにとっては、この不確実性が不平等を助長する要因となるかもしれない。

NY州議会議員も反発
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