<なぜ最近の親は子育てを丸投げするのか。中学受験指導に30年携わってきた専門家が、取材をして掴んだ実態とは?>

しかし、『ネオ・ネグレクト――外注される子どもたち』(矢野耕平・著、祥伝社)のタイトルにもなっている「ネオ・ネグレクト」は、従来のネグレクトとは性質が異なるようだ。
この名称は、30年にわたって中学受験指導に携わってきた著者による造語である。
それは、「衣食住に満ち足りた生活をしていても、親がわが子を直視することを忌避したり、わが子に興味関心を抱けなかったりする状態」のことである。加えて、これが見られるのは貧困状態に喘いでいる家庭ではなく、むしろ富裕層といわれる家庭であっても見られると感じている。(16ページより)
そのため外から見ただけでは判断しづらく、ネオ・ネグレクトを受けている子どもたちも、自身が親から興味関心を抱かれていないことをなかなか自覚できないようだ。
興味深いのは、著者がネオ・ネグレクトの具体的事例を探るために取材を重ねた結果、この現象が東京湾岸のタワーマンションが林立するエリアでよく見られることが判明したという事実だ。
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