スタジオ・サンネ・ヴィッサーの頭髪製の糸やロープを使った実用品
スタジオ・サンネ・ヴィッサーの頭髪製の糸やロープを使った実用品。鏡は2022年に初披露され、話題を呼んだ (筆者撮影)

スタジオ・サンネ・ヴィッサーの取り組み

このプロジェクトは、ロンドンの「スタジオ・サンネ・ヴィッサー」によって進められている。サンネ・ヴィッサーさんは、現在、ロンドン芸術大学で教鞭を取り、研究も行っている。循環型社会の実現に向けた解決策の1つとして、「毛髪を資源として活用する」という新しいアイデアを展覧会やワークショップを通して発信している。

スタジオでは、集めた髪の毛を洗浄・殺菌し、色によって分けてから、糸車を使って糸をつむぐ。それらの糸は、ヴィッサーさんが開発したロープ製造器で、ロープに加工される。

髪の毛を加工する様子
髪を加工する様子(スタジオ・サンネ・ヴィッサーのYouTubeチャンネルより)

美容師の意識変化

イギリスでは、毎年、推定670万キログラムの髪の毛が埋め立て地に捨てられている。髪の毛は強度が高く、熱によるダメージにも強く、生分解性があるため、広く利用されれば環境に確実に良い影響を与えるだろう。

約10年前、ヴィッサーさんがカット後の髪の毛を使って研究を始めた頃は、美容師たちは髪の寄付に消極的だった。しかし、髪のリサイクルに対する考え方が変化し、美容院の協力を得やすくなった。昨年からはロンドン・ニューハム区の美容院とタッグを組み「ヘアサイクル」という新しいプロジェクトも始まった。

左)頭髪製の犬用リード 右)回収した髪を糸にする実演
左)頭髪製の犬用リード 右)回収した髪を糸にする実演(筆者撮影)
繊維産業で毛髪利用
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