だが胡温体制下の10年間に国有企業増強と民間部門縮小の動きが加速し、胡の後任の習は同路線をさらに推進している。おかげで上海閥の経済基盤はむしばまれ、22年に江が死去すると派閥の一体性や影響力は一層弱まった。

一方、独立した財力を持たなかった共青団は習にあっけなく粉砕された。残ったメンバーは分断化しており、資金を出し合う状況ではない。

2つ目のテストは「粛清と変化」だ。長年の指導者を首尾よく追い落とすには、党や政府、軍内から旧体制派を完全に追放し、直後に(権力奪取を正当化するためにも)主要政策や国家的言説を急転換しなければならない。現在の中国にその兆しはあるのか。

北戴河会議後の今も、習が権力を維持しているのはほぼ確実だ。だが政策ミスや経済低迷による政治的逆風にさらされている可能性は否めない。

健康問題というリスクに直面している可能性もある。習が病身だと示唆する兆候は複数ある。ただし、本人も党も後任問題に触れていないので、たとえ病気でも極めて深刻なものではないのだろう。

王朝交代に潜む混乱のシナリオ
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