<中国はチベット自治区で世界最大となる水力発電所を建設している。自己中心的な建設プロジェクトは、国内外にどれほどの悪影響を及ぼすのか>

去る7月19日、中国政府はチベット自治区を流れるヤルンツァンポ川上流に巨大ダムを建設すると発表した。

完成すれば文句なしに世界最大の発電用ダムとなる。総建設費は現時点の推定で1670億ドル、世界中で史上最も高価なダムとなる見通しだ。年間の発電量は3000億キロワット時で、現時点の中国のエネルギー需要の約4%を満たすとされる。

巨大ダムの建設には賛否両論がある。水力発電は二酸化炭素を排出しないクリーンな電力源だが、ダム建設は周囲の生態系にも社会にも大きな影響を及ぼすからだ。

現状で世界最大の三峡ダム(湖北省、2009年完成)では、建設時に約130万人が立ち退きを強いられた。また1975年には河南省で、比べものにならないほど小さなダムの決壊で約23万の犠牲者が出た。それほどまでにダム建設のリスクは大きい。

しかも今回はチベットが舞台だ。「自治区」とは名ばかりで、中国政府は何十年も前から民族的チベット人の文化と宗教を弾圧し、住民の強制移住を進めてきた。昨年も、別のダム建設への反対運動を力ずくでつぶしている。

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