デリー拠点のシンクタンク「オブザーバー・リサーチ・ファウンデーション」の調査は、こうした支援が女性の無賃労働の削減や家族の生活向上に寄与し、「女性のエンパワーメントを強化する」と評価した。また、ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)の導入に向けた論拠も強まったと結論づけている。

だが、国レベルの導入にはまだいくつもの課題が立ちはだかっている。

カナダの経済学者フォルジェは、「地域限定のデータを国全体にあてはめる考え方には疑問がある」と言う。「エピソードは豊富でも、政策として活用するにはデータが不足している」

それでも、一定の条件下では国レベルへの拡大は可能で、他の福祉制度との併用設計を検討する上での参考にもなると言う。

反対派は、財政負担の大きさや増税につながる懸念、ばら撒きによるインフレで実質支給額が減りかねないこと、さらに「不労所得」や「福祉タダ乗り」への偏見、反発などを理由に懸念を示す。

制度の効果は一定の評価を得ているが、財政的・政治的な制約が導入の足かせとなっており、UBIやGBIの本格的な普及にはなお時間がかかりそうだ。

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