飲料1回分に含まれる程度のエリスリトール量なのに

「血管が収縮し、血栓を溶かす力が弱まれば、当然、脳卒中のリスクは高まる」とベリーは説明する。

「私たちの研究は、エリスリトールが脳卒中リスクを高める可能性があることだけでなく、その仕組みも明らかにした」

研究で用いられたのは飲料1回分に含まれる程度のエリスリトール量に過ぎず、日常的に複数のノンシュガー食品を摂取する人には不安が大きいだろう。

ただし、今回の研究があくまで試験管内の細胞実験であることは論文執筆者たちも述べている。人間に対する実際の影響を確認するには、さらなる調査が必要だ。デスーザは本誌に、急激な血糖上昇を引き起こさないという理由でエリスリトールを摂取している人についても言及した。

それでも、とデスーザは言う。

「今回の脳血管細胞における結果は、エリスリトールと心血管疾患、脳血管疾患との関連を示す最近の疫学データと併せて考慮すべきだ。全体として、エリスリトールが血管に悪影響を及ぼす可能性を示す証拠は増えている。とはいえ、どの程度の量をどのくらいの期間摂取すれば血管に有害かを知るには、研究がまだ必要だ。現時点では、エリスリトールに関連する血管リスクを認識しておくことが重要だろう」

では、消費者への具体的なアドバイスは?

原材料表示をよく確認し、「エリスリトール」や「糖アルコール」といった成分が含まれていないか注意を払うこと。「ノンシュガー」や「シュガーフリー」と謳う商品の摂取量には気を付けたほうがいいと、デスーザは警鐘を鳴らす。

【参考文献】

Berry, A. R., Ruzzene, S. T., Ostrander, E. I., Wegerson, K. N., Orozco-Fersiva, N. C., Stone, M. F., Valenti, W. B., Izaias, J. E., Holzer, J. P., Greiner, J. J., Garcia, V. P., & DeSouza, C. A. (2025). The non-nutritive sweetener erythritol adversely affects brain microvascular endothelial cell function. Journal of Applied Physiology, 138(6), 1571-1577. https://doi.org/10.1152/japplphysiol.00276.2025

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