採用でも健康経営の「効果」を実感

今では「健康経営」を理念に掲げ、従業員の心身の健康が重要な経営資源だとする。従業員、お客様と取引先、地域社会、株主と4種いるステークホルダーのうち、「従業員が第一」だと太田は言う。

地方の企業では、人手不足を課題に抱えるところが珍しくない。太田油脂が本拠を置く愛知県では自動車産業が盛んで、そちらに「人材が流出しがちだ」と現地事情に詳しいある経営者も言う。そうした背景からも必然的な流れだったのかもしれない。

管理栄養士が従業員に健康指導を実施し、労働時間の抑制にも取り組んだ。単に休暇の取得を促すだけでは勤務日の残業がかえって増えかねないから、「照準」は残業時間だ。

「最初はやみくもに『残業を減らそう』だったが、翌年にまた残業が増えてしまうこともあった。業務効率化やDXを行った結果、実現したのが今の年間休日120日」だという。全産業平均が約111日だから、比較的手厚い年休制度と言えるだろう。

また、ライフスタイルに合わせた職場環境として、時短勤務や在宅勤務などの制度を整備。2022年には本社から徒歩5分の場所に保育園を設立した。割引料金で職場近くに子供を預けられて便利と、社員に好評だ。

自社で運営する企業主導型保育所「marutaこつぶ園」
自社で運営する企業主導型保育所「marutaこつぶ園」は本社から川を挟んだ場所にあり、19人を収容。地域の子供たちも預かっている COURTESY OF OTA OIL
決して派手ではない、地味な改善の積み重ね
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