<ベストセラー『三行で撃つ』の著者・近藤康太郎が、「5つの言葉」と共に人間の「存在要件」と向き合う>

言葉とは何か。

そんなふうに改まって問われなければ、だれでも知っていることです。言葉とは、そのお、言葉だよ。話すことや、書くこと。そのための道具。文字と、それが表す意味。文法。ルール。それが言葉。

でも、真剣に言葉を考えると、いま書いたような定義はすぐさまほころびます。詳しくは、「言葉とは何か」、一生をかけて考えてきた人、ソシュールやウィトゲンシュタインや時枝誠記やの本を読んでいただくとして、本稿ではとりあえず、こうしましょうか。

言葉とは、他者を想定することである。

自分だけの言葉、自分以外には通じないオリジナルな言葉というのは、原理的にあり得ません。言葉とは、発話や文字など、あるシンボル体系を使って、他者と連絡を取り合うことです。太古、人間に言葉が成立したのは、他者がいたから。他者と協力しなければならなかったから。獲物を捕る相談もあるだろうし、求愛の言葉もあったでしょう。だから、自分同様に他者の存在を認める。他者を承認する。そして、自分も、他者に承認してもらいたい。

言葉の本質はそこです。

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ただ生きるだけではだめ
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