英シンクタンク「オックスフォード・エコノミクス」の米国主任エコノミストであるライアン・スイートも同様に、関税の影響で投資家が「アメリカ経済の先行きについての評価を見直している」と指摘。

「関税はアメリカ経済の成長を鈍らせ、投資家から見れば収益性が下がる。一部の投資家はドルから離れる動きに出るだろう」と本誌に語った。

経済協力開発機構(OECD)は6月、アメリカ経済の成長見通しを3月時点の2.2%から1.6%へと引き下げた。OECDはその理由として、輸入関税の「大幅な引き上げ」や「経済政策の高い不確実性」、純移民数の減少や連邦政府職員の削減などを挙げている。

米ノースイースタン大学経済学部のピーター・サイモン教授は、「通貨の強さは、人々がそれを持ちたいと思うかどうかにかかっている。現在の世界は、特に今回の減税・歳出法案の成立を受けてアメリカの将来に懐疑的になっている」と言う。

「そのため世界中の人々がドルを売り、より安定した通貨を求めてユーロやポンド、円や人民元などを買っている」

通貨価値の急落は、さまざまな経済的影響が伴うが、なかでもドルの場合その影響は大きい。ドルは世界の基軸通貨であり、国外に何兆ドルものドル建て資産が保有されているからだ。

相互関税は意図的な「ドル暴落」政策か?
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