
──日本の政治はこれまで高齢者のほうばかりを向いていたといわれるが。
残念ながら、実態は高齢者を元気にするのとは逆のことばかりやっている。コロナ禍での長い自粛期間で身体機能の低下を招いたり、高齢者に運転免許証の返納を迫って移動の自由を奪ったり。保育園を増やして待機児童問題は解消されつつあるのに、特別養護老人ホームの入居待ちは全く解消されず、介護職員の給料は削られる。これで現役世代が親の介護のために仕事を辞めるとなると影響は大きい。
──そうした高齢者の課題の解決が若者支援にもなる?
高齢者をただの長寿でなく、元気で健康長寿にする政策によって、現役世代を支えることにもなる。まず、元気な高齢者に働いてもらう。働く高齢者のほうが寿命も長く、病気も少ないという傾向ははっきりしている。収入も伸び、高齢者向けの産業も盛んになる。さらに医療費を削減することができ、社会保険料負担を減らして現役世代の「手取りを増やす」ことになる。
──「手取りを増やす」は流行(はや)りの言葉でもあるが。
手取りを増やすというのだったら、まず財源が必要。だがどの党もその財源を示せない。ここで、無駄な医療費をチェックして削減し、5兆円でも10兆円でも捻出するという発想が欠けている。
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