さらにイスラエルの場合、家族主義(家族の社会的役割を重視するイデオロギー)も大きな役割を果たしていると、ヘブライ大学のバーバラ・オーカン教授は指摘する。

ナショナリズムの部分は、かなり自明に思われる。長年にわたる戦争と、敵に包囲されているという感覚は、政治思想の左右を問わずイスラエルのユダヤ人に愛国意識を植え付けてきた。

一方、宗教的な側面の影響は、そこまで自明ではない。なにしろ敬虔なユダヤ教徒は、イスラエルでもごくひと握りしかいない。

だが、イスラエルの場合、ナショナリズムと宗教を切り離すのはほぼ不可能だと、オーカンは言う。

「イスラエルに住むユダヤ人のほとんどにとって、国家のアイデンティティーとは、ユダヤ民族としての連帯と、国内で圧倒的多数派であることを意味する。宗教だけに基づいているわけではない」と、オーカンは昨年、「イスラエルにおける信仰と出生率」と題された論考記事で説明している。

人口統計学者の一部は、18年の世界同時株安後、イスラエルの出生率がわずかに低下したことを引き合いに出して、イスラエルにもついに現代化の波がやって来たと主張する。

もはやイスラエル人も、生活費の上昇といった現実に直面するとともに、家族主義よりも個人主義を重視するようになったというのだ。

今後も長く続くのか
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