この当局者は4月にカンボジアから中国に移送された約180人のうちの1人と逮捕前に面会し、明らかに人身取引の被害者だと分かったと語っている。

入国記録を見ると、外国への渡航が初めてだった人が多く、かなりの人数が強制的に犯罪に加担させられていたことがうかがえる。「人身取引によってカンボジアだけで約15万人が詐欺などを強要されていた」というカンボジアの人身取引対策プロジェクト(CTIP)の報告もあり、信憑性は高い。

カンボジアの詐欺拠点は全国に約350カ所あるとみられ、一斉摘発が行われるのはまれだ。摘発されたとしても、容疑者と人身取引の被害者とのふるい分けが行われることはほとんどない。

「カンボジア当局がそうした措置を講じたことを示す確かな情報はない」と、米NPOウィンロック・インターナショナルでCTIPの代表を務めていたマーク・テイラーは言う。

CTIPは、同団体が米政府の資金援助によって運営していたが、ドナルド・トランプ米大統領が米国際開発庁(USAID)の資金を大幅に削減したあおりを受けて、2月に活動を停止した。

テイラーによれば、CTIPでは人身取引の被害者を200人以上救出し、帰国支援を行ってきた。実際の被害者はさらに多いかもしれないが、プログラムが突然打ち切られたため、追跡調査はできなくなったという。

中国はオンライン詐欺の摘発を強化