<イランの原子炉保有の野心は王制時代にさかのぼる。「主権」にこだわる国家は無条件降伏には応じない>

それなりの進展はあったが「まだ結論には程遠い」。5月23日にイタリアの首都ローマで開かれたイランの核開発をめぐる5回目の米・イラン高官協議について、仲介役を務めたオマーン政府関係者が発したコメントだ。

さもありなん。最大の争点は今も昔も使用済み核燃料の再処理(ウラン濃縮)能力だ。イランは核拡散防止条約(NPT)を根拠に、再処理は当事国の権利と主張するが、アメリカは否定している。

米政府の解釈では、NPTはウラン濃縮の権利を明示的に付与していない。だから濃縮計画を完全に放棄せよと主張する。だが、そんな高飛車な要求は通らない。

現状、トランプ政権は民生用の核開発なら認める意向を示しているが、それも「ウラン濃縮なし」という条件付きだ。マルコ・ルビオ米国務長官は4月に、「多くの国と同様、濃縮ウランを輸入する形なら民生用核プログラムは認める」と述べている。

1990年代まで、アメリカは目的を問わず「いかなる核開発」も認めないとする立場だった。それに比べたら大きな変化といえるが、あいにく交渉の着地点にはならない。

そもそもイランはイスラム革命以前の王制時代から、自前の核燃料サイクル確立を大前提として掲げており、この点ではアメリカと一貫して対立してきたからだ。

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