米国際貿易裁判所は28日、トランプ大統領が「解放の日」と位置付けて4月2日に発表した貿易相手国に対する関税を差し止めた。対米貿易黒字を抱える国々からの輸入品に全面的に課税することは大統領の権限を逸脱しているとの判断を示した。

米国憲法は議会に他国との通商を規制する独占的な権限を与えており、米経済を守る大統領の緊急権限によってこれが覆されることはないとした。

トランプ政権はこれを受け、直ちに控訴した。

この判断は2件の訴訟で下された。1件は超党派のリバティ・ジャスティス・センターが関税対象国から製品を輸入している米国の中小企業5社を代表して起こした訴訟。もう1件は米国内13州が訴えていた。

関税を巡り、少なくとも5件の訴訟が係争中となっている。

ミラー大統領次席補佐官は裁判所を非難し、「司法クーデターは制御不能だ」とソーシャルメディアに投稿した。

オレゴン州の訴訟を主導している民主党のダン・レイフィールド司法長官は、トランプ氏の関税は違法かつ無謀で、経済にとって壊滅的だと指摘。「今回の判断はわれわれの法律が重要であり、貿易に関する決定は大統領の気まぐれで行われるべきではないことを再確認するものだ」と述べた。

トランプ大統領は、国家非常事態における「異常な」脅威に対処することを目的とした国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき、関税を導入する広範な権限を持つと主張している。

トランプ氏は4月2日、貿易赤字は国家非常事態だとし、全ての輸入品に一律10%の関税を課すことを正当化。米国が抱える貿易赤字が大きい国、特に中国に対してはより高い税率を課した。

これらの国・地域別の関税のほとんどは1週間後に一時停止され、各国が通商協議を行っている。



[ロイター]
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