そして長期的には、フィルターで得た「いいね」や肯定的なコメントを快楽として学習し、現実の自分では満たされなくなっていくのだ。

さらに深刻なケースでは、自己認識や意思決定に関わる前頭前野に影響を及ぼし、現実の自分と理想化された自己像との乖離から、身体イメージの歪みが生じる可能性もあるという。

 

SNSと自己肯定感──10歳から始まる「自信の喪失」

こうした流行や加工フィルターの影響は大人だけでなく、10歳前後の女児にも及んでいる。『The Girls' Index 2023』によれば、自己肯定感の低下が深刻化しており、その年齢層の少女たちがすでに「自分に自信がない」と感じ始めているという。

2017年には、日常的に「悲しい」「憂うつ」と感じていた小学校高学年の女子はわずか5%だったが、2023年には15%に増加。自己肯定感も6年間で86%から68%へと大きく低下している。

美の基準がSNSで変化する中、こうしたデジタルツールや流行が自己認識やメンタルヘルスに与える影響について、研究者は引き続き調査している。

【参考文献】

Jones, B. C., Little, A. C., & Perrett, D. I. (2003). Why are symmetrical faces attractive? In Advances in psychology research, Vol. 19 (pp. 145-166). Nova Science Publishers.

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