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大規模演習「ステッドファスト・ダート」でスムルダンに集結した装甲車両と兵士 ANDREI PUNGOVSCHIーBLOOMBERG/GETTY IMAGES

軍を支えるのは産業だ。スペインのアランチャ・ゴンサレス・ラヤ前外相は本誌の取材に対し、ヨーロッパの防衛産業は必要なレベルに「十分」に到達できると断言した。

チェコの国防当局者も、再軍備に本腰を入れれば「現実的にみて、5年後にはロシアの全面攻撃を撃退できるレベルに達する」と予想する。

1月にNATO軍事委員長を退任したロブ・バウアーは、24年11月、ヨーロッパの防衛産業に「戦時体制に備え、生産・流通ラインを調整する」よう要請した。

ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長は2月、次のように語った。「ロシアの軍事産業の生産力は私たちを上回り、軍事支出はヨーロッパの合計を超えている。ヨーロッパの生産力は依然として、ロシアよりもはるかに低い」

バウアーは「戦闘に勝つのは軍隊かもしれないが、戦争に勝つのは経済だ」と指摘する。

ならばヨーロッパに分がありそうだ。EUとイギリスを合わせたGDPの総額は、ロシアの10倍を超える。だが資金を動かす能力も重要だ。ロシアでは独裁者のウラジーミル・プーチン大統領が戦時経済を握っているが、民主主義国家では政府支出に国民の同意が必要となる。

ヨーロッパの政府支出は世界でも高い水準にあり、防衛費を増やすとなれば国民に大きな負担を強いることになる。防衛費の増額を「世代を超えた課題」とするイギリスも、27年からGDP比2.5%に引き上げると表明したにとどまる。

防衛意識の薄い一般市民
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