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ネタニヤフ首相(一番右)とカッツ国防相(一番左) KOBY GIDEONーGPO-DPAーREUTERS

現時点でこの「ドルーズ派への保護」は2つの形で表れている。1つ目は、3月初めに起きた事件に関わるものだ。

ドルーズ派の地域に住む親族を訪ねようとした暫定政権の兵士が、ドルーズ派の兵士たち(かつてはアサド政権側で戦っていた)に射殺されるという事件が起き、これをきっかけにドルーズ派と暫定政権側の衝突が発生した。

これを受けてイスラエルは、シリアの首都ダマスカス南郊にいるドルーズ派民兵を守るために軍事介入を行う用意があると明らかにしたのだ。

もう1つが、スワイダ軍事評議会(SMC)と呼ばれる新たなドルーズ派軍事組織の結成だ。スワイダ(ドルーズ派の多い土地だ)における有力者4人によれば、SMCの幹部にはアサド政権下で将軍だった人物が3人加わっており、SMCは旧シリア軍の武器を使っているという。

イスラエル国内のドルーズ派を介し、SMCがイスラエル政府と関係を持っているというのは周知の事実だ。

だがシリア情勢がこれだけ緊張を増す必然性はといえば、そんなものは全くない。

アサド政権崩壊はイスラエルと敵対するイランにとって、過去最大の戦略的敗北だった。これによりイランの影響力は完全に失われ、イラン軍やその代理勢力はシリアを去るか解体された。

イスラエルが事態をエスカレートさせている
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