一方でここ数週間、シリアでは強力で攻撃的な反政府武装勢力が台頭してきている。中心となっているのはかつてのアサド政権の精鋭部隊で、イランとの関係も深い「第4機甲師団」の元幹部たちだ。

米トランプ政権はシリアの暫定政府に懸念や疑念を抱いているのかもしれない。だが、アサド政権崩壊とイランの戦略的な敗北によって生まれた歴史的・戦略的なチャンスにも気付いているはずだ。

そうしたチャンスを中東情勢の安定化につなげるには、相互の信頼関係とアメリカの影響力を生かし、イスラエルに事態の沈静化を求めなければならない。対抗措置を取る以外に選択肢がないほどシリアが追い詰められるのを避けるためだ。

トランプ政権はイスラエルと国交正常化したアラブ首長国連邦(UAE)のように、シリアが将来、イスラエルを正式に承認することを望んでいるのかもしれない。だがイスラエルが軍事行動と違法な占領をやめない限り、それは無理な相談だ。

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