<「答えはあなたの中にある」──AIコーチが問いかけ、気づきを促す時代が始まった>

AIの進化が加速する中、企業における人材育成のあり方も大きく変わりつつある。ドイツ発のデジタルコーチング企業「CoachHub(コーチハブ)」は、その変化を象徴する存在だ。2025年2月にはAIコーチ「AIMY(エイミー)」を正式リリースし、従来は経営層や管理職といった限られた層にしか届かなかったコーチングを、現場で働く非管理職や若手社員など、より広範な層に届けることを目指している。

同社のアジア太平洋地域を統括し、日本法人の代表取締役も務める大塚涼右氏に、コーチングの本質やAI活用の狙い、そして日本市場での展望について話を聞いた。

──デジタルコーチングの分野でリーダー的存在とされるCoachHubですが、どのような理念やサービスを提供しているのか、あらためて教えていただけますか?

大塚涼右(以下、大塚) CoachHubは2018年にドイツで創業されたデジタルコーチングの企業です。創業者はマティーとヤニスという兄弟で、会社としてのミッションは「コーチングの民主化(Democratize Coaching)」です。役職や立場に関係なく、世界中の働く人すべてにコーチングの機会を届けたいという思いを掲げています。

コーチング自体は昔からありますが、CoachHubではオンラインのプラットフォームのテクノロジーを活用し、1対1の対話を通じた学びをよりスケールした形で提供しています。2018年というコロナ前の時点から、オンラインでのコーチングというモデルを展開しており、現在では世界中でビジネスを展開しています。すでに1000社以上の顧客に対し、企業のリーダーや社員の方々にデジタルコーチングを提供しています。

──そもそも「コーチング」とは、どういったものなのでしょうか?

大塚 コーチングという言葉自体は最近広く知られるようになってきましたが、基本的には「コーチ」と呼ばれる専門家と「コーチー(Coachee:受講者)」が1対1で対話を重ねることで、自己内省を促したり、目標に向かって考えを深めたりするプロセスのことを指します。

従来のコーチングは「エグゼクティブコーチング」とも呼ばれるように、経営者や役員など、いわゆる企業のトップ層を対象にしたものが主流でした。

一方で、デジタルコーチングとは、こうした1対1の対話型コーチングを、テクノロジーの力を使ってより広い層へ届けていくものです。例えば、部長や課長クラスの方々が、社外の第三者であるコーチとつながり、自身のキャリアや目標達成に向けて伴走者として支援を受ける、という形になります。

これまで限られたトップ層だけに提供されていたコーチングを、オンラインのテクノロジーによって、より多くの人たちに広げていくというのが、デジタルコーチングの大きな特徴です。

AI活用でコーチングを非管理職にも提供
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