今年1月7日の記者会見でトランプは、「国家安全保障上の目的から、この広大で資源に富んだ島がアメリカには必要だ」と発言した。約5万6000人が暮らすグリーンランドは、その戦略的な位置と豊富な天然資源により、地政学的に非常に重要な存在だ(同地にはアメリカ宇宙軍の基地もある)。

さらに、トランプは3月4日に行われた連邦議会での共同演説の中で、「なんとしてでもグリーンランドを手に入れる」と宣言していた。

このようなトランプの言動に対して、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、「グリーンランドはグリーンランド人のものだ」と明言。グリーンランドのムテ・エーエデ首相もこれに呼応し、「この島の領土の使い方は、グリーンランドの問題である」と述べた。

なお、エーエデは昨年12月時点ですでに、「グリーンランドは我々のものだ。グリーンランドは売り物ではないし、これからも売り物になることは決してない。我々が長年にわたって勝ち取ってきた自由を失ってはならない」とロイター通信に語るなど、グリーンランドのアメリカ併合に反対の姿勢を示している。

他にも、ストックホルム東欧研究センターのアナリスト、アンドレアス・ウムラントは自身のXで、「『グリーンランド』を『クリミア』や『ドンバス』に置き換えてみれば、2014年以来ロシアがウクライナ侵攻の準備を進める中で繰り返してきたプロパガンダと全く同じ構図が見える。これは世界中の数多くの軍事介入、占領、併合を正当化するために用いられた加害者側の論理をも想起させる」とアメリカのグリーンランド併合の野心を批判している。

ホワイトハウスの発表によれば、アメリカ副大統領J.D.バンスの妻であるウーシャ・バンスが、息子とアメリカ代表団とともに木曜日にグリーンランドを訪問する予定となっている。この訪問に対し、エーエデは「極めて挑発的な行動だ」と強く非難している。

【動画】グリーンランド訪問の意気込みを語るウーシャ・バンス
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