newsweekjp20250228022815-71bacb45effeef463882f8bc5d8c2575f0f2ec2e.jpg
労働省の外で開かれた政府効率化省(DOGE)に反対する抗議集会 KENA BETANCURーVIEW PRESS/GETTY IMAGES

およそ政治色のない人事部門である人事管理局には忠実な部下(高校を出たばかりの「顧問」もいるらしい)を送り込み、連邦政府職員に関する膨大な情報を入手させた。気前よく9月までの給与保証付きで政府職員の早期退職を募っているが、そのボーナスを払うには議会の承認が必要だ。

膨大な個人情報の漏洩には訴訟が提起されている。政府職員の住所や社会保障番号、病歴などのデータベースが商用サーバーに移されたという内部告発もある。

DOGEは正規の政府機関ではなく、ホワイトハウスにぶら下がっているだけ。だから公的機関としての倫理にも監督にも縛られず自由に動ける。

マスク自身は、機密情報へのアクセスに必要なセキュリティークリアランスを得ていない。国民に選ばれたわけでもない男が、厳重に守られた個人情報へのアクセス権を手に入れ、その情報を使って公務員を脅し、思いどおりに操ろうとしている。この事態を何と呼べばいいのか。

DOGEは財務省にも入り込んだ。財政を乗っ取るためだ。メディケア(高齢者医療保険制度)の給付金や公的年金、公務員給与、請負企業への支払いなど、毎年6兆ドルを支出する決済システムへのアクセスを要求した。

納税者の機密性の高いデータも含まれる。監督者だった人望の厚いキャリア官僚のデービッド・レブリクはDOGEへの協力を拒んだが、休職を命じられ、新任の財務長官スコット・ベッセントがDOGEにシステムを引き渡した。

1人の男が何兆ドルもの公的資金の財布を
【関連記事】