<自己クーデター的な権力乱用で次々と行政府の解体を進めるイーロン・マスク。彼が率いる政府効率化省(DOGE)は、アメリカ政府をどこまで壊すのか?>

誰に選ばれたわけでもない1人の男が、アメリカ合衆国の政府機関をぶち壊そうとしている。

1カ月ほど前にホワイトハウスに復帰した大統領ドナルド・トランプのお墨付きを得た自分は無敵。そう信じる政商イーロン・マスクとその一味は、私たちメディアが伝え切れないほどのペースで行政府の解体を進めている。その影響は計り知れない。

捜査令状も議会の承認も要らないから、やりたい放題。政府機関の持つ機密資料や個人情報、その巨大な決済システムにも勝手にアクセスしているようだが、そんなことをする法的権限はどこにもない。

マスクは既存の政府機関に所属せず、上司はいない。それでいて計上済みの予算の執行を止めても、国家機密のセキュリティー条項に違反しても、議会の承認したグローバルな政府機関を閉鎖しても、自分にはそうする絶対的な権限があると信じているようだ。

連邦職員を粛清する先頭に立ち、人命を救う慈善団体を迫害し、公明正大に職務に取り組む公務員が暴挙の前に立ちはだかれば邪魔者として追い払う。

どう見ても憲法を無視した強引な権力奪取だ。しかも私たちメディアが報道し切れないほどの規模と速度で事を進めている。

マスクは昨秋の大統領選でトランプを勝たせるために3億ドル弱を投じた。だから今の自分には好きなように政府機関に押し入ってリストラする権限があると信じている。もはや彼は事実上の共同大統領。名目上の大統領は見て見ぬふりを決め込んでいる。

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政府機関を内側から破壊することだけを目的
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