最新記事
宇宙

イーロン・マスク「太陽系を植民地化したい」...現代のセシル・ローズが大宇宙の覇者になる

A NEW CECIL RHODES

2025年2月27日(木)19時35分
カロリーヌ・デ・フラウター(フォーリン・ポリシー誌コラムニスト)
イーロン・マスク「太陽系を植民地化したい」…現代のセシル・ローズが大宇宙の覇者になる

HULTON ARCHIVE/GETTY IMAGES

<大英帝国の植民地政策を推進したあの政商が、怖いくらい「トランプ政権のマスク」とかぶる。片足を火星に、もう一方の足を別の惑星に置く姿が...>

一度見たら忘れられないだろう。19世紀後半のイギリスの資本家で、大英帝国を最盛期に導いた立役者とも言える男、セシル・ローズ(Cecil John Rhodes)を皮肉った風刺画のことだ。

1892年に風刺画雑誌パンチに掲載されたそのイラスト(上記画像)は、アフリカ大陸を大股で踏み付けるローズを描いている。

いかにも植民地の親分という格好で、右肩には銃をぶら下げ、ブーツを履いた右足は南アフリカのケープタウンに、左足はエジプトのカイロに置かれている。大きく広げた両手には、電報や鉄道の敷設を示唆する電線を持つ。


当時は、自国の利益のために外国を侵略する帝国主義の全盛期で、ヨーロッパ列強は資源が豊かなアフリカに競って進出していた。ローズはケープタウンとカイロを結ぶ鉄道で、イギリスの植民地をビーズのようにつなぐ構想を練っていた。

現代の世界にも、ローズのような政商はいる。ドナルド・トランプ米大統領にとってのイーロン・マスクは、大英帝国にとってのローズだ。国家がライバルを出し抜き、世界の土地やシーレーンや資源、そして労働力を獲得するために、幅広い権限と自由を与えられている大富豪だ。

編集部よりお知らせ
ニューズウィーク日本版「SDGsアワード2025」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:米企業のCEO交代加速、業績不振や問題行

ビジネス

アングル:消費財企業、米関税で価格戦略のジレンマ

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マイクロプラスチックを血中から取り除くことは可能なのか?
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 9
    ハムストリングスは「体重」を求めていた...神が「脚…
  • 10
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中