──言語化に慣れていない方の言葉を掘り下げるために、荒木さんが実践していることはありますか。

恥ずかしがらずに、自分が納得するまで聞くことでしょうか。たとえば、上司との打合せで「〇〇な感じでやっておいて」といわれたとする。ここで、ふわっとした理解のままで具体的な中身を聞かずにいると、後で仲間に伝える際にうまく伝えられないんです。私の場合だと、クライアントの要望を制作プロダクションの方々にきちんと説明できないといけない。自分のその先にいる誰かに伝えるためにも、腑に落ちるまで聞くことが大事だと思います。

特に注意が必要なのは、カタカナのビジネス用語。たとえばクライアントが「当社はサステナブルなビジネスをめざしている」といったとします。「持続可能な」という意味だけれど、この会社にとっての「サステナブル」とは何かと問いかける必要があります。

翻訳の世界では、「トランスクリエーション」という言葉があります。「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語。相手の話を意図通りに正しく翻訳するだけでなく、異なる文化背景を持つ人に対して、より魅力的に、わかりやすく伝えることだそうです。

「言語化」はこのトランスクリエーションに近いプロセスです。ある人の言葉の意図を正しく汲み取って翻訳し、柔らかく伝えていく。すると、伝えた人も受けとった人もみんな幸せになるのかなと思います。

言語化力の高いチームをつくる秘訣とは?
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