私の仮説ですが、SNSの影響も相まって、社内外問わず自己アピールを迫られる風潮が強まっています。発信ツールはビジュアルや映像など様々ですが、言葉は誰でも使えるもの。しかも、若手社会人は小学校からキャリア教育が行われていて、キャリアシートに目標を書くことが日常の世代です。

そんな中で、自分の考えの発信を促す空気と、「言語化」のワードがバチっとハマったんじゃないかと思います。

いま会社員の「キャリア自律」が求められていますが、個々人がどんなキャリアを歩みたいかを考えて、切り拓かないといけない。そこで、自分の強みや考えを的確に言葉にすることに対して、悩みが生まれているように思います。

また、リモートワークの浸透で、チャットツールでのテキストコミュニケーションが一般的になり、文字ベースで質問したり考えを伝えたりする機会が増えたことも影響しているでしょうね。

聞くことは、「相手の辞書をつくる」こと

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──新著では、言語化力のベースは「聞く力」にあると書かれていました。クライアントや生活者など他者の声を聞くときに意識している点を教えてください。

コピーライターの仕事には広告や販促物、社内のインナーツールをつくるといった目的があり、コピーはそれを達成するための一手段です。だからインタビューでは、クライアントの話をしっかりと聞いて、言葉に落とし込んでいく必要があります。実際、コピーをつくる時間の9割が「聞く」工程です。

言葉の中に、経験からにじみ出た「いい言葉」がある
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